ここに7人の男が集まった。
思いはそれぞれである。出身地もみな違い、ファドへの愛もまた、それぞれである。
「選ばれた」などという大げさなものではない。声をかければこの顔が揃った。これもファドのあるべき姿だ。
とはいえ、ポルトガルギター2台にギターにベースといった、古典ファドのフル編成である。
男だけでのファドに違和感がないわけではない。本国と同じく男女同率が自然であるに違いない。
しかし、その「自然」へ至るためにも問題提起が必要なのが、日本のファドの2008年での現在地である。
「ファド男祭り」の開催は、日本でファドが文化たるための必然なのである。
2008年5月 月本一史
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